書道家の半田清舟は、ある受賞パーティーで自作を酷評した書道展示館の館長を感情に任せて毆りつけてしまう。見かねた父親は半田に「(自分の)人間として欠けている部分」を見つけさせるため、彼を自然豊かな五島へと送り込む。
內心では反省する気のない半田だったが、天真爛漫少女・琴石なるをはじめとする個性的な島民達と出會い、少しずつ心を動かされる。都會の溫室で育った半田は耐性の無い田舎の環境や島獨特の人間関係に戸惑いながらも、島民たちに助けられ勵まされ挫折を繰り返しながら新たな書の境地を拓いていく。初めて出會った自然の世界やお互いに助け合う気持ち、それは型に嵌っていた半田の書、そして半田自身の心も少しずつ成長させていた。
自信を取り戻した半田は書展出品のため東京へと戻り、かつてパーティーで毆りつけた館長に謝罪。館長に書道家としても人としても成長したことを認められ、暴行事件は水に流すこととなった。島へ戻る理由を失い都會暮らしに戻る選択肢を與えられた半田だったが、島送りに猛反対する母をよそに都會では島で書けていた自由な文字が書けないことに気付く。父親に背中を押されたことや、なによりも島で半田の帰りを待つなる達の言葉を聞き、半田は島での生活に戻ることを決意する。
愉快な五島の住民たちに翻弄されながらも、再び書の新境地を求める日々を送るのだった。